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BCPに対応したオフィスの選び方や作り方とは?今こそ見直したいポイントを徹底解説!

BCPに対応したオフィスの選び方や作り方とは?今こそ見直したいポイントを徹底解説!

2021/12/27(2021/12/24).

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BCPに対応したオフィスの選び方や作り方とは?今こそ見直したいポイントを徹底解説!

BCP(事業継続計画)は、大規模災害などが発生して被災したときでも事業を中断しない・中断しても迅速に復旧して事業を再開するために立てる対策です。

緊急時の対応にあたるオフィスは、社員の安全を守るだけでなく、対策の中枢機能としての拠点機能をもつ必要があります。

本記事では、BCPの観点からオフィスを選ぶ際の留意点と、オフィス機能の強化ポイントを解説します。

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BCPに対応できるオフィス(オフィスビル)の選び方

BCPは、大規模災害などで甚大な被害が発生している中での事業継続を可能とする対策です。

このために必要なオフィスは、内部にいる社員の安全を守ると同時に、緊急対応に必要な情報の収集・集約を迅速に行い、外部に向けて発信するための機能を保持する必要があります。

オフィスビルを選定する際には、被災の可能性と耐災性のほか、災害対応拠点としての機能がどこまで充実しているかに着目しましょう。

感染症対策に十分な空調性能が必要

拠点を検討する際に、現在特に注目されているのか給排気機能です。従来の耐災性能のなかで換気はあまり意識されてこなかったポイントですが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて見直されつつあります。

しかし新型コロナウイルスのような感染症が流行している時期には、多くの人員を集めて行う災害対策自体が、接触による感染リスクと隣り合わせです。災害対応では大きな災害であるほど多くの人員が必要です。 

個人が行う感染症対策も重要ですが、緊急時には特に、オフィス機能としての換気が十分であるかを確認しておきましょう。

具体的には以下の項目について確認し、不具合がある場合は適切な対策をとります。

  • 換気フィルター、全熱交換器のフィルター機能
  • ダンパー(空気調節弁)の機能
  • 窓の開閉
  • 空調制御のしくみ(全館一律か個別制御か)
  • 停電時に手動で換気を行う必要が生じた場合の空気の流れ

 

新耐震基準を満たす耐震性

建物の耐震は、新耐震基準をクリアしているかどうかが重要なポイントになります。

新耐震基準では、「震度5強程度の中規模地震ではほとんど損傷が生じず、震度6強から7程度の大規模地震で倒壊・崩壊しない」こととされています。

 

新耐震基準は1981年6月から施行されているため、その2年ほど後の1983年以降に建設されたオフィスビルであれば基準を満たしているはずです。

1981年以降に建設されたビルの場合は、補強工事により新耐震基準を満たしているか、耐震診断を受けましょう。

診断の結果問題がある場合、耐震壁の増設や、ブレースと呼ばれる、たすき掛けの補強材を設定するなどの耐震化の工事が必要です。

 

管理会社による防災対策

オフィスビルの場合、専有エリア以外の共用部分など、建物全体の防災対策がどのような状態になっているか、管理会社に確認しておきましょう。

例えば、停電した場合に非常用電源に切り替わるから安心と思っていたら、実は避難用の非常灯とエレベーターの臨時運転のみで、オフィスの中ではまったく電気が使えなかったという話もよく聞きます。

 

以下のような項目について、管理会社がどの範囲まで対策をとっているかを確認し、不足する場合は自分たちで備えておく必要があります。

  • 非常用電源の配電の範囲と稼働時間
  • 非常用電源・通信制御設備・ダクトなど重要設備の耐震・耐震水対策
  • オートロックの出入り口が停電でロックした場合の解除等の対処法
  • 帰宅困難者が発生した場合の非常用の水・食料などの備蓄量
  • 非常時(地震、火災、大規模事故、テロ等の発生時)の対応マニュアル
  • 館内放送、避難訓練などの定期的な実施

ライフラインの確保

ライフラインが停止した中での危機対応を迅速にするため、非常用電源や通信・情報収集システムなど、代替手段によるインフラの確保が必要です。

例えば次の機能について、種類と備蓄量を決めて拠点に備えることをおすすめします。

 

  • 非常用電源と燃料(最低3日分、できれば7日分)
  • 通信回線と端末
  • 非常用照明
  • 空調機器(ストーブ、扇風機など)
  • 飲料水、非常食、携帯トイレ、簡易マットや毛布など泊まり込むための備蓄

オフィスビルの場合、事前に許可が必要なものもあるかもしれませんから、意図を説明して導入の相談をするとよいでしょう。

ハザードマップの活用

ハザードマップは、自然災害が発生したとき、どのエリアにどの程度の被害が発生するかの予測を地図に表したものです(災害の種類は地域によって異なります)。

  • 地震(揺れの大きさ、建物の倒壊率や火災の発生率、液状化の可能性など)
  • 津波(浸水域、津波高、地震発生から津波がくるまでの到達時間)
  • 洪水(大雨により河川がはん濫した場合の浸水範囲)
  • 内水はん濫(下水の排水能力を超えて浸水被害が発生する可能性のある範囲)
  • 高潮(台風による吹き寄せで海水面が上昇し浸水する範囲)
  • 土砂災害(がけ崩れ、土石流、地すべりの警戒域)
  • 火山(噴石、火山灰、火砕流などの影響が及ぶ範囲)

 

ハザードマップには危険な範囲や危険箇所の予測のほか、避難場所や防災施設などが配置され、避難ルートや避難のタイミングの検討が行えるようになっています。

 

ハザードマップの多くは自治体が作成し、公表していますから、最新版を入手し、オフィス内で情報共有しておきましょう。

災害対応の拠点となる場所の周辺の危険度を把握することにより、災害発生から参集・帰宅するまでの安全ルートの確保や、二次災害対策などを具体的に検討することができます。

 

災害時におけるBCP(事業継続計画)とは? 災害対策・防災計画との違いを解説

BCPを意識したオフィスの作り方

いざというときにBCP(事業継続計画)の実行性を高めるため、対策は平常時から行っておく必要があります。

ここからは、平常時に進めるオフィス機能のBCP対策について考えていきましょう。

家具・IT機器の転倒防止対策

家具やIT機器には、地震の際にも倒れないよう落下・転倒の防止策を施しましょう。家具やIT機器は重いものや大きなものが多いため、落下したり転倒したりすると怪我をするだけでなく、逃げ道を塞ぐ恐れもあり、たいへん危険です。

特に高層ビルでは、震度はそれほど強くなくても長周期地震動による大きな横揺れが起きます。コピー機などのOA機器が大きく滑って窓ガラスを割ってしまったという例もあります。

身の安全を守り、オフィス機器の被災を防ぐため、オフィス家具やIT機器の転倒防止対策を進めましょう。以下に挙げる箇所は特にしっかりと対策してください。

  • オフィス家具・サーバ・モニタ類の固定
  • 複合機などのOA機器のストッパー設置
  • 天井照明器具の落下防止
  • ガラスの飛散防止
  • キャビネットの扉の飛び出し防止、高い棚の落下防止

感染症対策

突然の災害対策で混乱している中でも、感染症対策をとりやくするための工夫が必要です。

飛沫感染、空気感染、接触感染の3つの感染ルートを断ち切るよう、前述した換気機能の強化に加え、次のようなオフィス運用の工夫を普段から進めておきましょう。

  • 空気の流れをとめないパーティションの配置
  • 2方向の窓・出入り口を開放した換気のしくみ
  • 二酸化炭素の密度のモニタリング
  • マスク・消毒のルールの徹底

 

参照(PDF):商業施設等における「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気について

拠点を分散する

事業活動を行う拠点を1箇所に集中させると、大規模な被災時には同時被災のリスクが高くなってしまいます。

いざというとき、事業の中枢を担う機能を代替エリアへ移動させられるよう、拠点の分散配置をおすすめします。代替拠点を置く場所には、メインの拠点が被災した際に同時被災しない地域を選びましょう。

また、災害発生時の代替拠点への移設や本社機能の移転、分散拠点での遠隔操作や情報連携などに慣れておけるよう、平時から訓練を行ってください。

DR(ディザスタリカバリ)とは?BCPとの違いと併せて解説

テレワークを導入する

テレワークは、「テレ(tele:遠く離れた)」+「ワーク」の意味で、ICTツールを活用し、オフィスから離れた場所で滞りなく業務を遂行する働き方をいいます。

テレワークには、在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィスなどがあります。感染症対策や働き方の改善で増加しているこれらの仕組みは、平常時の業務改善だけでなく、災害発生時のBCPの機能強化にもつながります。

 

被災地から離れた安全な場所で業務の機能を代替できるほか、長時間かけて参集する危険を冒さずにその場で情報収集にあたるなど、迅速な災害対応の開始が期待できるのです。

テレワークは災害が起きてから急に導入してもうまく運用できません。普段の業務で取り入れて円滑に業務が行えるようにしておきましょう。

テレワークでBCP対策 メリットや導入時の注意点を解説

社員の安否確認ができる体制を整える

分散型で機能的なオフィスづくりを行うためには、社員が現在どこにいるのか、すぐ連絡がとれるかといった情報連絡体制の強化が欠かせません。

その中でも初動として行うべき安否確認は、BPC対策として最も重要なポイントのひとつです。

安否確認では、災害発生直後に社員などの被災状況や居場所などを確認し、どんな対応を行うべきかの指示を出す必要があります。

とはいえ災害時では、電話やメールなどの一般的な連絡手段は、回線やサーバーの混雑により繋がりにくく、全従業員と連絡をとるのは非常に困難です。

そのため安否確認システムを導入し、効率よく従業員との連絡手段を確保することが重要です。

なお、安否確認機能は、次のポイントを押さえた仕組みにしておきましょう。

  • 災害発生直後に自動的に一斉送信できる
  • 様々な端末で送受信できる
  • 社員からの返信を自動的に集計できる
  • 一斉連絡で指示ができる
  • 各地にいる社員の情報を集約する機能(アンケート・掲示板など)がある
  • ログインなどで困らない簡単な操作で誰でも取り扱える

 

上場企業をはじめ1000社を超える豊富な導入実績!>安否確認システム「安否コール」

オフィスのBCPまとめ

BCP対策において、災害発生時に安全を確保しつつ事業継続を図るオフィス機能は非常に重要です。

非常時を想定した重要事項の絞り込みは、普段の業務改善にも役立ちます。

感染症対策の強化も含め、いまいちどオフィス環境を見直し、普段から機能的な拠点となるよう改善していきましょう。

 

 

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