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企業での安否確認システムの導入率は? 導入が必要な理由も解説

企業での安否確認システムの導入率は? 導入が必要な理由も解説

2022/06/22.

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安否確認は事業継続に不可欠な存在となりました。
電話やメールに比べ速やかに状況を把握できる安否確認システムがトレンドになっています。
ですが、すべての企業で導入が完了している訳ではありません。
では昨今の国内における導入率はどうなっているのでしょう。
導入を検討するうえで抑えておく必要があるポイントやメリットを紹介します。

安否確認システムの導入を検討している方は以下の記事も参考にしてください。
安否確認とは? 企業にとって意味があるのか、導入すべき理由をわかりやすく解説

 

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企業が安否確認システムを導入する理由

安否確認システムとはBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を策定するうえで最も重要な1つと位置付けられています。

BCPとは企業が自然災害等の緊急事態に遭遇した場合、主となる事業の継続や早期復旧を可能とする方法、手段などを取り決めておく計画のことです。

災害時、家族間であれば、「無事」が分かるだけで安心できるかもしれません。
しかし、企業はそれに加えて可能な限りの事業継続が必要です。
事業継続は信頼を維持し、倒産から会社を守ります。会社を守ることは、従業員を守ることにも繋がります。

企業はスピーディかつ正確に従業員の安否状況を把握する必要があります。
しかし、従来のように従業員一人ひとりに電話やメールで安否を確認し、Excelに入力・集計するのは手間も時間もかかります。

その点、安否確認システムがあればこれらの手間を省けます。
システムを導入する事で「安否確認業務を効率化」「災害時の社内連絡」「BCP対策を強化」の効果を実感する事ができると言えるでしょう。

国内における安否確認システムの導入率

東京都中小企業振興公社では、危機管理の専門メディアに登録している企業17,000社を対象に、防災対策に対する意識調査を行った所、「安否確認システム」の導入率は69.3%という結果でした。

過半数の企業が導入しているという事が見て取れますが、調査対象の企業が危機管理のメディアに登録している事も考慮する必要があります。

東京商工会議所のとったアンケート結果では、安否確認システムを安否確認の手段としている割合は28%となっています。導入率を従業員規模で見ていきましょう。

従業員50人以下の場合には37.8%、51〜100人以下の場合には56%の導入率であり、従業員の多い企業ほどシステムを導入している傾向があることが分かります。しかし、メールや通話を安否確認に使用する割合は、従業員が少ないほど多く、少人数の場合にはシステムを導入しなくても人の手で確認すれば足りるという意識があるように考えられます。

視点を変えて“普及率”にも目を向けてみた時、内閣府の調査によれば、2018年の時点で大手企業の約64%、中小企業で31.8%がBCP策定済みで、大手企業を中心に普及していますが、日本企業の9割を占める中小企業においては、BCP策定率が過半数以下に留まっているのが現状です。

■参考記事:事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2021年)

 

安否確認システムを導入する際に抑えるべきポイント

ここでは、安否確認システムを導入するうえでの、3つのポイントを紹介します。

1.どのような事を実現する為に導入が必要なのかを明確にする

必要になる機能として、災害時の対応、感染症対策など実現したい目的によって異なります。

仮に、災害時を目的として導入する場合には、従業員の状況を速やかに確認する機能が求められますが、感染症対策の場合は、日々の従業員の健康状態を可視化をするために、定期的にアンケートを送信・集計する機能がある事が前提となります。
このように、目的を明確にした上でシステム導入をすることが重要と言えるでしょう。

2.安否確認システムの機能やサービスを確認する

安否確認システムのオーソドックスな機能に、一斉メール送信やアンケート集計、掲示板などがあります。そのほかヘルプデスクやスマホアプリの有無など、安否確認システムの機能やサービスの充実度合いを確認した上で、比較検討することが大切です。

以下、主要な機能をまとめましたのでご紹介します。

【管理者機能】

機能 内容
一斉配信

あらかじめ登録した宛先に安否確認メールを一斉配信する

災害発生通知・自動配信

気象庁の情報(地震・津波など)と連動し、災害発生を管理者にメールで通知する。「震度5以上」など条件を設定しておくことで、安否確認メールを自動配信できるものもある

予約配信 指定した日時に自動的に安否確認メールを一斉配信する
自動再配信 未回答者に対し、回答があるまで安否確認メールをくり返し配信する
定型文の登録

一斉配信や自動配信に用いる安否確認メッセージの定型文を作成・登録する

代理回答 管理者が本人に代わって安否状況を回答する
回答の集計 安否状況や出社可否の回答を自動集計する。部署・エリア別の集計、集計結果のダウンロードも可能
グループ設定 ユーザー(従業員)を登録し、部署・エリアなどのグループ設定をする
メールアドレスのクリーニング 登録しているメールアドレスが存在するかチェックする。人事情報と連携できるシステムもある
権限設定

管理画面のアクセス権限を設定する

【ユーザー機能】

機能 内容
安否状況の回答

自分の安否状況を「安全」「軽傷」「出社不可」などの選択肢から選択・回答する。未送信・エラーなどの送信状況を確認できるものもある

掲示板機能

管理者や従業員がメッセージを掲載し、メンバー同士で情報共有ができる。家族内の掲示板として利用できるものもある

3.予算と費用感が合っているか確認する

安否確認システムの利用料金は月額で継続的に発生するので、固定費として支払える自社の予算を把握した上で導入を決めるべきです。また、初期費用がかかるサービスの場合はそれも忘れずに予算を確保する必要があります。

安否確認システム導入のメリット

現在安否確認の連絡手段として、メールや通話が多く使われていますが、緊急時には電話回線が遮断されたり、手動のメール送信ではキャリアのサーバーの負荷に依存しタイムラグが起こったりすることを考えると、機能しない可能性もあります。
そこで安否確認システムを導入する事によって多くのメリットを得られます。

1.従業員の安否を速やかに確認できる

安否確認システムを利用することで、従業員やその家族の安否確認を迅速に行えます。
従業員の安全が確認できれば次の方針を決めやすくなり、業務が停止する期間も最小限に抑えられます。

2.管理者はトラブル対応に集中可能

安否確認システムが自動で一括連絡を行う事で、管理者はトラブル対応を優先できます。
非常事態時は、インフラ崩壊や従業員が出社できないなどのトラブルにより、業務が停止することも想定されるため、管理者のリソースを中心的に向ける必要があります。 

従業員1人1人と連絡をとることは、時間と労力がかかるため、トラブルなどの対応が後回しになる恐れがあります。安否確認システムを導入することで、この問題を解決できます。

3.災害時だけでなく、様々な緊急事態に対応できる

安否確認システムは、「災害時にのみ使用する」というイメージが強くあります。
しかし、アンケート集計機能で従業員の体温や体調といった健康状態を定期的に確認するなど、幅広い使い道があります。例えば従業員の健康状態を把握することで、出社・リモート勤務の判断や感染者が出た際の臨時対応が迅速に行えるようになります。

安否確認システム導入後に必要な事

安否確認システムは導入したら終わりではなくここからが始まりといえます。
いざ災害が発生したときに活用できるよう、準備を整えておく必要があるのです。
ここからは導入後に必要な準備を5ステップに分けて見ていきましょう。

ステップ1.運用手順の明確化

安否確認システムは、災害発生時に従業員へ一斉に配信を行い、従業員が安否情報を報告することで、安否状況を集計、確認するシステムです。そのため「従業員が無事な場合は必ず報告をする」「それらが確実に集計できる」ことが大前提となっています。

だからこそ、導入後の情報周知や従業員又は管理者同士のフォロー体制、管理者と管理者の緊急対応ルール、集計結果の報告先と結果ごとの初動ルールなどを明確に定めておく必要があります。そして、以降のステップはこの運用手順を基本にして準備を進めていくと良いでしょう。

ステップ2.従業員登録の確認

安否確認システムを導入した場合、全従業員が確実に登録されていることを確認しておく事が必須です。この登録の確認がされていなければ、いざという時の安否確認結果に大きなずれが生じ、その後の初動ルールの運用に支障を来してしまいます。

新入社員や中途採用者の登録処理が漏れていないか、退職者の削除処理がされているか、企業に属する全従業員が確実に登録されているかを確認しておく必要があります。特に、契約社員やアルバイトなどの非正規雇用者については人の出入りが激しく、管理が煩雑になりがちですので注意が必要です。

ステップ3.通知の発信・受信確認

安否確認システムは緊急時だけ動作するシステムであり、システム自体はそれほど複雑なものではありません。しかし、だからこそ動作確認が非常に重要になります。

多くの安否確認システムには動作確認用の設定が準備されています。その機能を使い、通知設定した状況が発生次第、確実に通知されるか、従業員がそれを確実に受信しているか、通知を受けた利用者が迅速に報告できるか、報告が正常に反映されるか、集計がリアルタイムに行えるかなど、システムが正常動作するかを平時のうちに確認しておかなければいけません。

当然のことながら、通知や報告を複数の方法で実施できる場合は、そのすべてについて個別及び複合の動作確認を実施しておく必要があります。

ステップ4.従業員の報告精度確認

安否確認システムの最も重要なことは、従業員の安否情報を正しく集計することです。
そのため、通知方法や報告方法が複数準備されており、できるだけ容易に報告できるように整備されています。

しかし、従業員によってはデジタル機器に疎い方やそもそもの発信力が弱い人など、報告が遅いかもしくは報告しない方もいます。そういった方についても、何度も周知して安否確認の訓練を行うことで、従業員同士のフォロー体制を強化し、従業員全員が安否報告を返せるようにします。

ステップ5.集計結果の報告頻度、タイミングの測定

安否確認システムで集計された情報をどう扱うのか、災害が起きてからどの程度の時間が経ってから集計報告を行うのか、どれくらいの頻度で行うのか、という集計者の動きを、実際の試験運用時に測定しておく必要があります。

あまりに早い段階の集計では報告が出そろっていないだけかも知れませんし、遅すぎると手遅れになるかも知れません。適切な集計時期は従業員の数や組織風土などにより一概には言えませんので、実値の測定から算出、規定しておくべきでしょう。

まとめ

日本は災害大国とも呼ばれており、今後も大規模な自然災害が発生する確率は著しく高いと予想されます。

万が一の備えに、BCP対策を万全にしておくことで事業再開の判断が安易になるだけでなく、従業員の心理的安全も保証することができるため、安否確認システム導入によるメリットは大きいです。

運営会社 株式会社アドテクニカ

「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。

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デジタルマーケティング支援
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