安否確認システムにログインは必要か?ログイン不要・パスワードレス設計の比較ポイント
2026/05/13.
安否確認システムの回答率が上がらないとき、原因として「訓練不足」や「周知不足」が挙げられることがよくあります。しかし、それだけではありません。見落とされやすい原因の一つが、「認証方式の設計」です。
安否確認における認証方式とは、通知を受けた従業員が回答画面に到達するまでの本人確認の仕組みです。この仕組みが「ログインを前提とした設計」になっているとき、災害時の回答に障壁が生まれます。パスワードを思い出せない、SMS認証が届かない、操作途中で諦める——こうした問題は、訓練の頻度や周知の徹底では解決できません。
安否確認システムを比較する際に、機能数や価格より先に確認すべきなのが認証方式です。本記事では、ログイン型・OTP(ワンタイムパスワード)型・アプリ型・パスワードレス型の4類型を比較しながら、選定時の判断基準を整理します。既存システムの見直しを検討している担当者にも、初めて導入を検討している担当者にも、社内稟議の判断材料として活用できる内容をお届けします。
この記事でわかること
| ・ | 安否確認の「回答率」が低い原因として見落とされやすい「操作完了率」の問題 |
| ・ | 認証方式の3層定義(認証方式・ログイン型・パスワードレス型) |
| ・ | ログイン型が災害時に回答障壁になる3つの理由 |
| ・ | ログイン型・OTP型・アプリ型・パスワードレス型の4類型比較 |
| ・ | 既存の安否確認システムを見直すべき3つの条件 |
| ・ | 「安否コール」の特許技術(特許第6356897号)が持つ設計の核心 |
| ・ | 情報システム部門向けのセキュリティ論点の整理 |
| ・ | 導入後に変わること(回答率・運用負荷・社内周知) |
| ・ | 認証方式を評価する選定チェックリスト |
index
- 1.安否確認の回答率が上がらない原因は「認証方式」にあるかもしれない
- 2.安否確認システムの認証方式とは何か:3層で整理する定義
- 3.災害時に「ログインできない」が起きる3つの理由
- 4.安否確認システムの認証方式を比較する【ログイン型・OTP型・アプリ型・パスワードレス型】
- 5.既存の安否確認システムを見直すべき3つの条件
- 6.パスワードレス設計の違いと「安否コール」の特許技術
- 7.「ログイン不要=セキュリティが低い」は誤解か:情報システム部門向けの整理
- 8.人事システム連携との関係:パスワードレス設計が真価を発揮する条件
- 9.導入後に変わること:回答率・運用負荷・社内周知の3点
- 10.安否確認システムの認証方式を評価する選定チェックリスト
- 11.よくある質問(FAQ)
- 12.まとめ:安否確認システムは認証方式から選ぶ
- 13.「安否コール」の無料トライアル登録体験会で、実際の回答フローを確認してください
安否確認の回答率が上がらない原因は「認証方式」にあるかもしれない
安否確認では、「通知が届いているのに回答が集まらない」という状況が起きやすいです。その原因の多くは到達率ではなく、操作完了率にあります。
回答率を構成する3つの要素
安否確認の回答率は、以下の3つの要素で構成されています。
- 到達率:通知が従業員のデバイスに届いているか
- 開封率:届いた通知を開いているか
- 操作完了率:開封後に回答を最後まで完了できているか
多くの担当者が「回答率の問題=到達率の問題」と捉えており、配信経路を増やすこと(メール・SMS・プッシュ通知の併用)で解決しようとします。これは有効な対策ですが、それだけでは解決しないケースがあります。
「通知は届いている、開封もしている、しかし回答を完了していない」——この問題は操作完了率の低さから生じます。そして操作完了率を最も左右するのが、認証方式の設計です。
主要サービスを含めて比較したい方は、安否確認システム比較ページもご覧ください。
見落とされやすい「操作完了率」の問題
安否確認における操作完了率とは、通知を開封した従業員のうち、最後まで回答を送信できた割合を指します。
ログインを前提とする設計では、通知を開封してから回答完了までに複数の操作が必要になります。その途中でパスワードが思い出せない、認証コードが届かないなどの障壁が生じると、回答は完了しません。
一方、パスワードレス設計では、URLをタップするだけで回答画面が表示されます。操作の途中で止まるポイントが少なくなるため、開封後の操作完了率が高くなりやすい設計です。
「配信を増やしても回答率が上がらない」という状況であれば、操作完了率の観点から認証方式を見直すことが、有効な次のステップになります。
安否確認システムの認証方式とは何か:3層で整理する定義
認証方式は、安否確認システムの回答率と運用負荷を左右する基盤設計です。以下の3層で整理します。
第1層:認証方式とは何か
安否確認システムの認証方式とは、通知を受けた従業員が回答画面に到達するまでの本人確認の仕組みです。
どの認証方式を採用しているかによって、回答までの操作ステップ数・回答に必要な準備・通信障害時の影響度が決まります。機能一覧の前に確認すべき、システムの基盤的な設計要素です。
第2層:ログイン型の安否確認システムとは何か
ログイン型の安否確認システムとは、回答前にIDとパスワードなどの認証操作を必要とする方式を採用したシステムです。
ログイン型では、通知を受信した後に専用アプリまたはWebページを開き、認証情報を入力して初めて回答画面に到達できます。平時では問題が起きにくい一方、災害時にはこの認証操作が回答の障壁として機能することがあります。
第3層:パスワードレス型の安否確認システムとは何か
パスワードレス型の安否確認システムとは、IDやパスワードの入力を必要とせず、配信URLをタップするだけで回答画面が表示される認証方式を採用したシステムです。
一般的なパスワードレス設計では、配信通知(メール・SMS)に含まれるURLが本人確認のキーとして機能し、ログイン画面や認証コード入力のプロセスを経由せずに回答画面に到達できます。ただし、URLの設計や有効期限管理など、実装方式によって操作性と安全性に差が生まれます。この差については後の章で整理します。
災害時に「ログインできない」が起きる3つの理由
ログイン型は、回答前の操作が多いため災害時の離脱ポイントが増えます。これは「使い勝手の問題」ではなく「認証設計の問題」です。この区別が、システム選定の本質的な判断につながります。
① パスワード忘れとロックアウト
パスワードを定期的に変更する運用を行っている企業では、平時から「最新のパスワードを把握していない従業員」が存在します。平時であればパスワードリセット手順を踏むことができるでしょう。しかし、被災直後の状況ではそうはいきません。
例えばメールを使ったパスワードリセットには、別のデバイスへのアクセスと安定した通信環境が必要です。被災後の混乱状況でこれを完了できる従業員は限られます。
さらに、被災後の心理的動揺や暗所での操作によって、平時とは比べ物にならないほど入力エラーが起きやすくなります。さらに複数回の入力失敗でアカウントがロックアウトされると、それ以降の回答は完全にできなくなります。ロックアウト解除には管理者対応が必要なため、災害対応の最中に個別対応が発生するという二次的な問題にもつながります。
② SMS認証の遅延と通信輻輳
セキュリティ強化のために多要素認証を採用しているシステムには、パスワード入力後にWebページやアプリへの認証コード入力が求められるものがあります。これは平時のセキュリティ設計として合理的です。
しかし、大規模災害が発生すると、携帯電話ネットワークには輻輳(アクセス集中による遅延・通信困難)が起きます。メールやSMSが届かない、または大幅に遅延する状況では、認証が完了せず回答もできません。「セキュリティを高める仕組み」が「安否確認の機能を妨げる障壁」になるという状況がここで起きます。これは多要素認証を廃止することでは解決できません。認証方式そのものを見直すことでのみ解決できます。
③ 操作ステップの多さが生む離脱
ログインが前提のシステムでは、通知受信から回答完了までに多くの操作ステップが発生します。通知受信→アプリまたはブラウザ起動→ログイン画面でID入力→パスワード入力→メールやSMSによる認証コードの受信待機→認証コード入力→回答画面に到達→回答を選択・送信という流れが代表的です。
これに対して、パスワードレス設計では、通知受信→URLをタップ→回答画面が表示される→回答を選択・送信という流れになります。
このステップ数の差は、平時の訓練では「便利かどうか」の違いにしか感じられません。しかし災害時には、途中の一つのステップで止まれば回答が完了しません。操作途中で諦めた従業員は「あとで回答しよう」と考えますが、その機会は多くの場合訪れません。ステップ数の多さは「一時的な未回答」を「恒久的な未回答」に変えるリスクを含んでいます。
安否確認システムの認証方式を比較する【ログイン型・OTP型・アプリ型・パスワードレス型】
認証方式には主に4つの類型があります。それぞれの回答しやすさ・災害時の弱点・運用負荷を比較することで、自社に合う設計の基準が明確になります。
4類型の比較表
| 認証方式 | 回答までのステップ | 災害時の主な弱点 | 運用負荷 | 向いている環境 |
| ログイン型(ID/PW) | 多い(6ステップ以上) | パスワード忘れ・ロックアウト | 高い(ID管理・リセット対応が継続発生) | セキュリティ要件が厳格な環境 |
| OTP型(SMS認証) | 中程度(4〜6ステップ) | 通信輻輳時にコードが届かない | 中程度 | 2要素認証が必要な環境 |
| アプリ型(プッシュ通知) | 中程度(アプリ起動が前提) | アプリ未導入者は回答不可・機種変更後の再設定が必要 | 中程度(アプリ管理が継続発生) | スマートフォン普及率が高い環境 |
| パスワードレス型 | 少ない(3ステップ以内) | URLの有効期限管理が重要 | 低い(ID管理・パスワード管理が不要) | デバイス・年齢層が多様な環境 |
← スクロール →
※回答ステップ数は代表例です。実際の回答フローは製品設計によって異なります。
主要サービスを含めて認証方式・運用負荷を比較したい方は、安否確認システム比較ページもご覧ください。
回答フロー比較:ログイン型とパスワードレス型の操作ステップ
ログイン型の回答フロー(代表例)
- メール・SMS受信
- 通知をタップして画面を開く
- アプリまたはブラウザを起動する
- ログイン画面でID入力
- パスワード入力
- SMS認証コードの受信待機
- 認証コード入力
- 回答画面に到達
- 回答を選択・送信
→ 複数のステップに離脱ポイントが存在する
パスワードレス型の回答フロー(代表例)
- メール・SMS受信
- URLをタップ
- 回答を選択・送信
→ 操作ステップが少なく、離脱ポイントが構造的に少ない
このフロー差が、災害時の「回答できた従業員」と「回答できなかった従業員」の分岐に影響します。
企業状況別 認証方式の選び方
企業の状況や優先課題によって、適合する認証方式は異なります。
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企業の状況 |
優先すべき観点 |
合いやすい認証方式 |
|
訓練の回答率が安定しない |
操作完了率の改善 |
パスワードレス型 |
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パスワードリセット問い合わせが多い |
運用負荷の削減 |
パスワードレス型 |
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アプリ未導入の従業員がいる |
デバイス非依存の設計 |
パスワードレス型 |
|
セキュリティ要件が非常に厳しい |
認証強度の確保 |
ログイン型+管理体制の強化 |
|
入退社・異動が頻繁で管理工数が多い |
人事連携による自動化 |
パスワードレス型+人事システム連携 |
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従業員のスマートフォン普及率が高い |
操作性とコストのバランス |
アプリ型またはパスワードレス型 |
運用負荷・セキュリティ観点での比較
|
比較観点 |
ログイン型 |
パスワードレス型 |
|
アカウント管理工数 |
入退社・異動のたびに発行・削除が必要 |
ID管理が不要 |
|
パスワードリセット対応 |
定常的に発生する |
発生しない |
|
機種変更後の再設定 |
再ログインまたは再設定が必要 |
不要(URLをタップするだけ) |
|
アプリ未導入者への対応 |
回答できない可能性がある |
ブラウザのみで回答可能 |
|
不正アクセスリスク |
パスワード使い回し・フィッシングリスクがある |
URLの有効期限管理が重要 |
|
大規模災害時の安定性 |
SMS遅延の影響を受けやすい |
SMS遅延の影響が少ない設計が可能 |
既存の安否確認システムを見直すべき3つの条件
すでに安否確認システムを導入している企業でも、以下の条件に該当する場合は認証方式の見直しを検討する価値があります。
条件1:訓練時の回答率が自社で定めた目標値を安定して達成できていない
訓練は、本番の災害時よりも心理的負荷が低く、通信環境も安定しています。その条件でも回答率が目標に届かないなら、本番時はさらに下がることが想定されます。認証方式が操作完了率を下げている可能性があります。
条件2:未回答者からのパスワードリセット問い合わせや操作案内への対応が継続している
訓練後や運用中に「ログインできない」「パスワードを忘れた」という問い合わせが繰り返し発生している場合、それは運用担当者の継続的なコスト負担になっています。この問題は認証設計に起因しており、周知を増やすことでは根本解決しません。
条件3:入退社・異動のたびにアカウント管理の工数が発生している
従業員数が多い、または入退社・異動の頻度が高い企業では、ログイン型システムのアカウント管理工数が積み重なります。人事システムとの自動連携がない場合、このコストはさらに大きくなります。
セルフ診断チェック:自社はどの条件に該当するか
以下の項目に2つ以上該当する企業は、認証方式を含めた安否確認システム全体の見直しを検討する段階にあります。
パスワードレス設計の違いと「安否コール」の特許技術
同じパスワードレス型でも、実装方式によって操作性や運用負荷は異なります。
「安否コール」は、パスワードレス認証に関する特許第6356897号を取得しています(2018年07月取得)。
ここでは技術詳細そのものには踏み込みませんが、この特許取得済みの認証設計によって、ログイン不要で回答しやすい運用と、管理者側の負荷を抑えやすい運用を両立しています。
比較検討時には、「パスワードレス対応」と記載されているかだけでなく、実際の回答しやすさや、継続運用時の負荷まで確認することが重要です。
特許取得済みの認証設計が支える操作性
一般的なパスワードレス対応の中には、「ログインの手間を減らす」ことを主眼にした設計もあります。
一方で「安否コール」は、パスワードレス認証に関する特許第6356897号を取得しており、回答時の操作負荷を抑えやすい設計を採用しています。
その結果、従業員はIDやパスワードの管理に煩わされにくく、管理者側でもアカウント管理やパスワードリセット対応の負荷を抑えやすくなります。
重要なのは、特許の有無そのものではなく、災害時でも回答しやすい運用を実現できるかどうかです。比較検討時には、認証方式の名称だけでなく、実際の運用負荷まで含めて確認する必要があります。
「安否コール」で回答しやすくなる理由
「安否コール」では、従業員が回答する際にIDやパスワードの入力を求めない設計を採用しています。
そのため、従業員はメール・プッシュ通知・SMSなどで届いた案内から回答画面に進み、必要事項を選択して送信できます。
重要なのは、被災時に回答までの操作が増えにくいことです。ログイン型のシステムでは、認証の途中で離脱が起きる可能性がありますが、「安否コール」ではその離脱ポイントを減らしやすい設計になっています。
この差は、平時には利便性の違いに見えても、災害時には回答率や初動対応の速さに影響します。
「安否コール」は1,300社以上の導入実績があります(自社調べ)。また、「安否コール」の導入事例には、導入後の訓練で回答率向上を評価する企業の声があります。詳しくは導入事例一覧をご確認ください。
「ログイン不要=セキュリティが低い」は誤解か:情報システム部門向けの整理
安否確認のように回答速度と操作完了率が重要で、扱う情報が安否状況に限定された用途では、適切に期限・URL設計がされた一般的なパスワードレス方式が合理的な認証の選択肢になります。
この前提を情報システム部門と共有することが、社内稟議を進める上で重要なステップです。
パスワード認証が持つ構造的なリスク
パスワード認証は広く普及していますが、固有のリスクを持っています。
| ・ | パスワードの使い回し |
| 一つのサービスで漏洩すると他サービスにも影響が及ぶ |
| ・ | フィッシングによる詐取 |
| 偽サイトへの誘導でIDとパスワードを窃取される |
| ・ | 定期変更の形骸化 |
| 記憶できないため、単純なパスワードや微変更での使い回しが常態化する |
| ・ | パスワードリスト攻撃 |
| 過去に流出したIDとパスワードの組み合わせで不正ログインを試みる |
これらは、どれだけセキュリティポリシーを強化しても、人間がパスワードを扱う限り完全には排除できないリスクです。
一般的なパスワードレス型のセキュリティ設計
一般的なパスワードレス認証では、以下のセキュリティ設計が採用されます。
|
設計要素 |
内容 |
目的 |
|
URL有効期限 |
一定時間後にURLを無効化する |
転送後の悪用リスクを低減する |
|
URL構造 |
個人情報がURLから類推されない設計 |
情報漏洩リスクを低減する |
|
HTTPS通信 |
通信経路を暗号化する |
通信傍受リスクを低減する |
安否確認における「リスクの優先度」の正しい評価
情報システム部門が懸念するのは、主に「第三者が代わりに回答できるリスク」です。一般的なパスワードレス型では、URLを知っている人物が回答できる可能性は技術的にゼロではありません。
ここで重要なのは、リスクの性質と影響度を用途に合わせて正確に評価することです。
安否確認において「第三者がなりすまして回答するリスク」と「本人が災害時に回答できないリスク」を比較すると、BCP上の影響度が大きいのは後者です。また、安否確認で扱うデータは「安否状況(無事・被害あり等)」であり、金融情報や機密情報ではありません。
セキュリティ要件を用途に関わらず画一的に高めることが、実際の業務目的を損なうケースの一例として、安否確認におけるログイン要件があります。情報システム部門への説明では、「何を守るためのセキュリティか」という用途ベースの評価を軸にすることが、スムーズな合意につながります。
人事システム連携との関係:パスワードレス設計が真価を発揮する条件
パスワードレス認証の効果を最大化するためには、「誰に送るか」の正確性が前提として必要です。送信対象者リストに誤りがあれば、認証をどれだけ簡略化しても、必要な従業員に届きません。
人事システムとの連携は、この「送信先の正確性」を継続的に担保するための設計です。
「安否コール」が対応する人事システム連携
「安否コール」は現在、以下の方式で人事システムとの連携に対応しています。
- SmartHRとの連携
- OBC 給与奉行クラウドとの連携
- CSVによる手動連携(上記以外のシステムにも対応可能)
人事システムとの連携を設定することで、入退社・異動の情報が送信対象者リストに自動的に反映され、手動更新によるデータ漏れや送信ミスを防ぐことができます。
人事システム連携がない場合に起きる問題
- 入退社・異動が手動更新になるため、更新漏れが常態化する
- 退職した社員に通知が送信され続ける
- 新入社員が対象外になり、入社直後の安否が把握できない
- 組織変更後の部署情報がずれ、管理者が正しく集計できない
運用コスト削減の観点
パスワードレス設計では、ID・パスワードの発行・削除・リセット対応という「アカウント管理」の工数が根本的に発生しません。人事データと連携して送信対象者を管理するだけで、個別のアカウント管理が不要になります。
安否確認システムの導入コストは「初期費用+月額費用」で語られることが多いですが、「運用担当者の工数コスト」は見落とされがちです。パスワードレス設計と人事連携の組み合わせは、この見えにくいコストを削減する設計でもあります。
導入後に変わること:回答率・運用負荷・社内周知の3点
認証方式を見直すことで、3つの領域に変化が生まれます。比較検討の段階で「導入後のイメージ」を持つことは、社内稟議の説得力を高める上でも有効です。
① 回答率への影響
パスワードレス設計への変更により、操作完了率が高まりやすくなります。「安否コール」の導入事例には、導入後の訓練で回答率向上を評価する企業の声があります。なお、回答率の変化は企業の通信環境・従業員構成・訓練頻度などによって異なります。具体的な声は導入事例一覧からご確認ください。
② 運用負荷の変化
パスワードレス設計では、ID・パスワードの発行・管理・リセット対応が不要になります。また、人事システムとの連携を設定することで、入退社・異動に伴うリスト更新も自動化されます。従業員数が多い企業ほど、この運用負荷削減の効果が大きくなります。
③ 社内周知の変化
ログイン型では、訓練のたびに「ID・パスワードの確認を忘れずに」という周知が必要になります。パスワードレス設計では、この周知が不要になります。「届いた通知のURLをタップするだけで回答画面が表示される」という操作はITに不慣れな従業員にも伝えやすく、訓練前の案内コストを削減できます。また、新システムへの移行時にも「全員へのID・パスワード配布・周知」という工程が発生しないため、移行コストが低くなります。
安否確認システムの認証方式を評価する選定チェックリスト
安否確認システムを選定・比較する際に、認証方式を評価するための確認項目を整理します。稟議書の比較資料・ベンダー評価シートとしてそのまま転用できます。
回答しやすさに関するチェック項目
セキュリティに関するチェック項目
運用負荷に関するチェック項目
技術的な差別化に関するチェック項目
よくある質問(FAQ)
-
Q安否確認システムはログイン不要の方がよいですか?
A災害時の回答障壁を減らすという観点では、ログイン不要の設計が有効です。ログインが不要になることで、回答までの操作ステップが減り、パスワード忘れ・認証コード遅延・ロックアウトなどの離脱ポイントが排除されます。ただし、自社のセキュリティ要件・デバイス環境・運用体制によって最適な選択は異なります。「ログイン不要かどうか」だけでなく、「どのような実装方式か」「有効期限管理はどうなっているか」を合わせて確認することが、正しい判断につながります。 -
Qログイン型の安否確認システムはなぜ回答率が下がりやすいのですか?
Aログイン型では、通知受信から回答完了までの間に複数の操作ステップが存在します。各ステップが離脱ポイントになります。特にパスワード入力とSMS認証の2点が、災害時の通信障害・心理的動揺・電池残量低下などの状況下で止まりやすい箇所です。これは個々の従業員の意識や訓練頻度では解決できない、認証設計の問題です。 -
Qパスワードレス認証は安否確認でも安全ですか?
A安否確認の用途に対して適切に設計されたパスワードレス認証は、合理的なセキュリティ水準を持ちます。一般的なパスワードレス認証では、URLの有効期限管理・HTTPS通信・個人情報が類推されないURL設計などを組み合わせることで、不正アクセスのリスクを低減できます。また、安否確認で扱うデータは「安否状況」であり、金融情報や機密情報ではありません。扱うデータの性質に合わせたリスク評価が、実務的に正しい判断です。「安否コール」のセキュリティ設計の詳細はセキュリティ解説ページをご確認ください。 -
Q多要素認証付きの方がセキュリティは高くないですか?
A多要素認証は、扱う情報の機密性が高い場合に有効な設計です。ただし、安否確認においては多要素認証が「回答を妨げる障壁」として機能するリスクがあります。大規模災害時の通信輻輳でSMS認証コードが届かない状況では、セキュリティを高めるための仕組みが安否確認の本来の目的を妨げる結果になります。「何を守るためのセキュリティか」を用途ベースで評価することが重要です。 -
Q安否確認の訓練で回答率が低い原因は何ですか?
A訓練で回答率が低い場合、主に3つの原因が考えられます。①通知が届いていない(到達率の問題)、②通知を見ているが開封していない(開封率の問題)、③開封したが回答を完了していない(操作完了率の問題)です。ログイン型のシステムを使っている場合、③の操作完了率に課題があるケースがあります。再送しても回答率が改善しない場合は、認証方式の見直しが有効な次の対策になります。 -
Q既存システムを見直すべき企業の特徴は何ですか?
A以下の状況に複数該当する場合、認証方式を含めた見直しを検討する段階にあります。訓練時の回答率が自社目標を安定して達成できていない、パスワードリセット問い合わせが繰り返し発生している、入退社・異動のたびにアカウント管理の工数が発生している、アプリ未導入の従業員がいる、機種変更後の再設定対応が発生している——これらに当てはまる場合は、認証設計に起因する運用課題が潜在している可能性があります。 -
Q人事システム連携がないと何が起きますか?
A人事システムとの連携がない場合、送信対象者リストの更新が手動になり、退職済み社員への通知が継続される、新入社員が対象外になる、異動後の部署情報がずれるといった問題が発生します。認証方式を改善しても、送信対象者の精度が低ければ安否確認の網羅性が担保できません。「安否コール」は現在、SmartHR・OBC 給与奉行クラウド・CSVによる手動連携に対応しています。 -
Q既存の安否確認システムからの乗り換え時に確認すべきことは何ですか?
A主な確認項目は3点です。①従業員情報の移行方法(人事システム連携があれば自動化できます)、②従業員への周知の必要性(パスワードレス設計では「IDとパスワードを全員に配布・周知する」工程が不要になるため、移行コストが低くなります)、③既存データの移行可否(過去の訓練データや履歴が必要な場合は移行対応を確認します)。パスワードレス型のシステムへの移行は、従業員側の初期設定が不要なため、ログイン型同士の乗り換えよりも移行コストが低くなる傾向があります。 -
Q無料トライアル登録体験会では何を確認できますか?
A「安否コール」の無料トライアル登録体験会では、以下の3点を確認できます。①パスワードレス認証の実際の回答フロー体験(URLをタップして回答画面が表示されるまでの動作を実際に試せます)、②自社要件との照合(従業員規模・人事システム・セキュリティ要件について担当者と確認できます)、③社内稟議・比較検討に使える資料の持ち帰り(特許技術の根拠説明・他方式との比較資料など、稟議に活用できる材料を取得できます)。開催形式はオンライン中心で、対面での開催はご相談に応じます。所要時間は60分程度です。比較検討中でも参加できます。情報システム部門の方との同席にも対応しています。詳細・申込は無料トライアル登録体験会ページからご確認ください。 -
Q安否確認システムの比較で情報システム部門が重視すべき点は何ですか?
A情報システム部門が確認すべき主な論点は3点です。①認証強度とリスクの用途適合性(安否確認で扱うデータの機密度に合ったセキュリティ設計か)、②通信障害時の動作保証(SMS遅延・通信輻輳時に回答フローが成立するか)、③管理者側のアクセス管理・監査機能の有無です。一般的なパスワードレス認証においては、URLの有効期限設定・暗号化通信・アクセス管理の仕様を具体的に確認することを推奨します。「安否コール」のセキュリティ設計の詳細はセキュリティ解説ページからご確認ください。 -
Qパスワードレス型でもメール配信・SMS配信は選べますか?
Aはい、選べます。一般的なパスワードレス設計は配信媒体(メール・SMS)に依存しない方式です。メール本文またはSMSに含まれるURLをタップするだけで回答画面が表示されるため、どちらの配信方法でも同じ操作感で利用できます。通信障害のリスクに備えるためには、メール・SMS両方を配信設定として組み合わせることが望ましいです。どちらかが届かない状況でも回答できる体制を作ることが、到達率の安定につながるからです。 -
Q無料トライアル登録体験会に参加する前に準備しておくべき情報は何ですか?
A参加前に以下を整理しておくと、体験会をより有効に活用できます。①自社の従業員規模(人数・拠点数・部署構成)、②現在使用している安否確認システムの認証方式と運用上の課題の概要、③連携を検討している人事システムの名称(SmartHR・OBC 給与奉行クラウド・その他)、④参加者の役職・部門(情報システム・総務・BCP担当など)。これらを事前に整理しておくことで、自社要件の照合がスムーズに進みます。
まとめ:安否確認システムは認証方式から選ぶ
本記事の要点を整理します。
-
1回答率の問題は「操作完了率」から見直す
「通知は届いているのに回答が集まらない」という状況は、到達率ではなく操作完了率に原因がある場合があります。操作完了率を左右するのは、認証方式の設計です。 -
2認証方式には4つの類型があり、それぞれ特性が異なる
ログイン型・OTP型・アプリ型・パスワードレス型で、回答までのステップ数・災害時の弱点・運用負荷がそれぞれ異なります。「パスワードレス対応」という表記のみでなく、具体的な実装方式の確認が重要です。 -
3ログイン型が災害時に機能しにくい理由は認証設計の問題
パスワード忘れ・SMS遅延・操作ステップの多さは、訓練や周知では解決できない認証設計の問題です。テクノロジーの問題はテクノロジーで解決する必要があります。 -
4パスワードレス設計はセキュリティを犠牲にしない
安否確認の用途に合わせて適切に設計された一般的なパスワードレス認証は、パスワード認証が持つリスクを回避しながら、操作完了率を高める合理的な選択肢です。 -
5人事連携との組み合わせで高い回答率が安定する
「誰に送るか(人事連携)」と「どう回答させるか(パスワードレス認証)」の両輪が整ったとき、安否確認は災害時に本当に機能するシステムになります。
「安否コール」の無料トライアル登録体験会で、実際の回答フローを確認してください
「自社の現在のシステムが本番災害時に本当に機能するか確認したい」「認証方式の違いを実際に見て比較したい」——そのような段階にある方に向けて、「安否コール」の無料トライアル登録体験会をご案内します。
体験会では、以下の3点を確認できます。
| ・ | パスワードレス認証の実際の動作体験 |
| URLをタップして回答画面が表示されるまでの動作を実際に操作できます |
| ・ | 自社要件との照合 |
| 従業員規模・連携人事システム(SmartHR・OBC 給与奉行クラウド・その他)・セキュリティ要件について担当者と直接確認できます |
| ・ | 社内稟議・比較検討に使える資料の持ち帰り |
| 特許技術の説明・他方式との比較資料など、稟議に活用できる材料を取得できます |
開催形式はオンライン中心で、対面での開催はご相談に応じます。所要時間は60分程度です。比較検討中でも参加できます。情報システム部門の方との同席にも対応しています。
▶ お問い合わせ:https://www.anpi-system.net/contact/

「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
- 事業内容
- デジタルマーケティング支援
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